XPPen ガジェット 液タブ・板タブ

XPPenからイラスト制作用Androidタブレットが発売!【充電不要&16,384段階の筆圧検知】

3月 7, 2024

兼子

イラストレーター/Live2Dモデラー 2021年よりフリーランスとして活動。 当ブログではイラストやガジェット系の記事を主に掲載しております。

先日液タブや板タブを販売するメーカーのXPPenからAndroidタブレットが発売されました。

絵が描けるAndroidタブレットってのは今までも結構発売されているけど、液タブ板タブの開発メーカーがAndroidタブレットを発売するケースは稀。

そんなわけで、結構期待と不安が入り混じるタブレットとなっているかと思いますので、この記事では性能などをまとめてみます。

Magic Drawing Padの性能

公開されている性能は以下の通り

サイズ 279 x 192 x 6.9 mm
液晶サイズ 12.2インチ
アスペクト比 3:2
解像度 2160×1,440
重量 599g
色域 77% NTSC、109% sRGB、82% Adobe RGB
コントラスト比 1200:1
液晶フィルム アンチグレア
CPU MT8771
OS Android12
RAM 8㎇
ROM 256㎇
バッテリー 8000mAh
ペン性能 筆圧検知16384段階 充電不要
ペン側ショートカットボタン 1つ
視差 ±0.5 mm(中央)、±1.5 mm(コーナー)
価格(2023年3月時点での公式ストア価格) 78,990円

ペン性能がやばい

注目すべきはペン性能。

通常のペンが使えるAndroidタブレットは静電容量式のスタイラスペンが多く、この方式は充電が必要。

一方でXPPenの場合、EMRという方式。これは画面からペンに電力が提供されるので、ペンの充電が不要。

兼子
兼子
iPadもGalaxyのS9シリーズも静電容量式なので、ペンは充電が必要

 

更に筆圧検知レベルも桁が違う。通常のイラストが描けるAndroidタブレットの場合、高くても4096段階が一般的。

そんな中このMagic Drawing Padは16384段階。

 

また、ペンと本体のペアリングの必要もないので、「Bluetoothが切断されてペンが反応しない!」なんて事も起こらない。

画面に触れればすぐ反応する。

 

さすがに液タブや板タブを開発するメーカーだけあって、描く事に関してはかなり力が入っている。

サイズはそこそこの大きさで、比率は3:2

画面サイズは12.2インチと、わりと大きめ。

重量は599gなので、持ち運びにも良い大きさ。

 

画面比率に関しては3:2となっている。よくある16:9より縦が長い。

縦が長い方が良いの?って言われると、好みの問題でもあるけど、アイビスペイントのような全画面キャンバスになるようなお絵かきソフトとは相性が良さそう。

アイビスペイント

逆にツールがかなり幅を取るCLIPSTUDIOのStudioモードなどでは若干窮屈になるかと。

CLIPSTUDIO

※上記画像はHUAWEIのMatepadでのソフトの表示例(アスペクト比は16:10)

画面はアンチグレア+X-Paper

ディスプレイに関しては、フィルムを貼らずとも最初からアンチグレア加工がされているので、反射を気にする必要もない。

また、X-Paperという技術を使っており、紙のような感覚に近い質感になっております。

 

実際自分はこのX-Paper技術採用の液タブを使っているが、正直紙と同じ!って程ではないけど、とても良い感じのサラサラな質感。

若干滑りやすい気がするけど、フェルト芯を使うと丁度いい引っ掛かりが出来て、より紙に近い感覚になる。(フェルト芯も付属で3本ついてくる)

CPU性能は高くない

CPUに関してはMT8771という表記がありましたが、これはMediaTekのKompanio 800Tというチップとのこと。

Antutuベンチマークの結果は、調べた限り約40万点前後となっておりました。

 

自分が使っている2020年製のMatepad Proが60万点なので、正直あまり高くない。

 

ただ、普通に絵を描く分には困難なレベルではないと思う(使い方によるかもですが)

 

またメモリに関しては8㎇あるので、低すぎてメモリ不足になって全然使えないって事はないと思う。

むしろ8㎇はタブレットとしては割と高い。

OSはAndroid12

OSはAndroid12。現在Androidは14まででているが、アップデートはできないとのこと。

Android12だからって特別大きな問題はないかと思うけど、今後もアップデートできないのはちょっと不安。

色域もそこまで高くはない

最後に色味について書くと、公表されている数値は【77% NTSC、109% sRGB、82% Adobe RGB】となっており、sRGB109%となっていますが、これは面積比なので、実際に100%カバーできているわけではない。

 

正確な色域カバー率はわかりませんが、Adobe RGBやNTSCの数値的に恐らくそこまで高くないのかなと思います。

色味に拘りがある人はちょっと注意が必要かも。

色域ってどれくらいあればいい?
液タブの色域ってどれぐらいあればいい?色域100%超えの理由と選び方

「AdobeRGB99%!」と言われても、知らない人からしたら良いのか悪いのかの判断がし辛いと思う。 物によってはsRGB表記だったりするし、なんなら100%超える色域が表示されていることもある。10 ...

続きを見る

イラスト用しては良いタブレット

というわけでまとめると、Magic Drawing Padはペンの性能や液晶など、絵を描く事に関してかなり拘りきったタブレットになっている印象。

充電不要で筆圧検知16,384段階を兼ね備えたペンや、アンチグレアでX-Paperの液晶はデジ絵環境としてはかなり魅力的。

 

なのでタブレットで絵を描きたい人や、外出先などで気軽にスケッチ用として使うのであればかなり良いタブレットになるのかと思います。

 

ただ一方でタブレットとしての性能はそこまで高くない。

 

価格は約8万円となっているので、決して安い買い物ではないと思います。

なので高負荷な作業をする予定がある人等はじっくり検討してから決めるのが良いかなと思います。


 

その他の12インチタブレットを紹介した記事はこちら▼

【液タブになる】12インチ以上の絵が描る高性能タブレット3選【iPad,Galaxy,Lenovo】

パソコン+液タブや板タブってなると、持ち運びにも不便だし、0から揃えるとなると、費用も結構かかるし、選ぶのも大変です。 筆圧検知に対応したタブレットならそれ自体が液タブになるので、選ぶ手間が減るし、持 ...

続きを見る

 

それじゃ

XPPen Artist Pro 16 Gen2レビュー!ペン性能やフィルムの進化がすごい【液タブ】

こんにちは。兼子です。 先日XPPenから発売された新しい液タブArtist 16Pro Gen2を買いました。 何とこの液タブ、筆圧検知が業界初の16,384段階になっているとのこと。つまり8,19 ...

続きを見る

2025/9/28

Shellの65W急速充電器を実機レビュー|ガソスタ発の意外な実力とは?

先日、充電器をひとつ失くしてしまいました。……というか、正確には実家に帰省したときに置き忘れてきてしまった感じです。 家にはほかにも充電器はあるんですが、65Wで充電できるものがなくて困った。そのせいで、ノートPCの充電ができなくなってしまいました。 というわけで、新しい充電器を購入しようとAmazonを物色していたところ……。   え・・・ 最初は「パチモンだろ・・・」って思ったけど、シェルのパチモンを作る意味がわからない。調べてみたら、どうやら本物らしい。 引用:https://www.sh ...

ReadMore

2025/4/11

NEEWERの俯瞰撮影用デスクアームがスマホの手元動画撮影に最適だった件

先日スマホ用のデスクアームを買いました。 自分はブログやYouTube用に、物撮りをすることが多いのですが、動画の場合手で持つと揺れが気になる。特に液タブなんかをレビューするときは、描いているところを動画で撮りたいのだが、片手で描きながら片手で撮るのは難易度が高い。 そんなわけで、デスクアームに取り付けて撮影しよう!と思って買ってみたわけです。しかし買ったのはこれが初めてではない。以前安物のアームを買ったんだけど、耐久力がなさすぎてめっちゃ揺れるし、思った角度に固定するのが難しくてすぐに使わなくなってしま ...

ReadMore

2025/9/1

【エルゴトロンlx】XP-Penの液タブにモニターアームを取り付けてみた!

こんにちは。兼子です。先日、後傾姿勢で絵を描くために板タブを導入したことについて記事にしました。 https://otimusya24.com/xencelabs-review/ とはいえ、結局は板タブに完全移行することはなく、液タブと併用するスタイルに落ち着きました。 そして今回は、液タブをさらに快適に使うためにモニターアームを導入した!という話です。というのも、液タブをモニターアームに取り付けて、机よりも前にせり出すように設置すれば、後傾姿勢でも無理なく絵が描けそう!ということを思いついたからです。 ...

ReadMore

2025/10/5

イラスト制作&Live2Dモデリングする際の作業環境紹介【デスクツアー】

ありがたいことに、最近Live2Dモデリングの仕事が少しずつ増えてきた。最初は全然依頼が来なくて焦ったけど、どうやらまだVtuberモデル制作の需要はあるようです。 なのでこれからVtuber製作を始めようと思っている人は多いと思う。 そんなわけで、この記事では自分の現在の制作環境を紹介します。これからVtuber製作をやってみようと思う方や、今やっているけど他の人の作業環境が見たい!って人は是非最後までご覧ください。 ちなみに2024年9月現在の作業環境となります。 イラスト制作&Live2Dで ...

ReadMore

2025/10/4

KOORUIの27インチモニターを買ってみたけど全くおすすできない件

先日液晶モニターを買い換えました。 KOORUIの27インチモニター。 Amazonで5,000円 オフのクーポンが配布されており、約25,000円で買いました。 安くて高色域のIPS液晶かつ高画質のモニターを探していたところコイツにいきつきました。 というわけでレビューしていこうと思います。 色が潰れる もう最初に言っちゃうけど、これは買わない方がいい。 まさに「安物買いの銭失い」。この言葉は、自分のために作られたんじゃないかと思うことがある。 一応その理由を説明すると、一番大きな問題は——色がつぶれる ...

ReadMore

2025/10/4

【TourBox Liteレビュー】Liteでも使える?EliteやNeoとの違いについて

先日TourBox様より、TourBox Liteをご提供頂きました。 TourBoxと言えば左手デバイスとして有名ですが、値段が結構お高い。 最上位モデルのEliteは約4万円と、なかなか手を出しづらい価格。 使ってみたいけど、価格的に諦めていた人は多いと思う。 値段が約13,000円と、Eliteに比べて3分の一になっており、かなりお求めやすい価格になっています。 ただ、その分削られた機能もあるわけです。 と思ってる人も多いと思うので、この記事でTourBox Liteの使い勝手がどんなものなのかにつ ...

ReadMore

2025/10/4

XPPenからイラスト制作用Androidタブレットが発売!【充電不要&16,384段階の筆圧検知】

先日液タブや板タブを販売するメーカーのXPPenからAndroidタブレットが発売されました。 絵が描けるAndroidタブレットってのは今までも結構発売されているけど、液タブ板タブの開発メーカーがAndroidタブレットを発売するケースは稀。 そんなわけで、結構期待と不安が入り混じるタブレットとなっているかと思いますので、この記事では性能などをまとめてみます。 Magic Drawing Padの性能 公開されている性能は以下の通り サイズ 279 x 192 x 6.9 mm 液晶サイズ 12.2イン ...

ReadMore

2025/10/5

液タブ初心者におすすめ!5万円以内で買えるXPPen製の神コスパ3機種を紹介

そんな方に向けて、おすすめの液タブを紹介していきます。 一昔前なら、5万円で買えるのは板タブだけと言われていましたが、時代は変わりました。今では5万円あれば液タブを選べる時代です。安いモデルなら2万円台から購入できるので、5万円あれば選択肢はかなり豊富と言っていいでしょう。 ……がしかし。 初心者にとって選択肢が増えると、逆に決められなくなる問題も出てきます。そしてつい「とりあえず安いもの」を選びがちに。 そんな失敗を避けるために、予算5万円を目安にしたおすすめの液タブを紹介します。これから液タブを購入し ...

ReadMore

色域ってどれくらいあればいい?

2024/9/15

液タブの色域ってどれぐらいあればいい?色域100%超えの理由と選び方

「AdobeRGB99%!」と言われても、知らない人からしたら良いのか悪いのかの判断がし辛いと思う。 物によってはsRGB表記だったりするし、なんなら100%超える色域が表示されていることもある。100%超えってどういうことなのよ・・・・って感じですよね。 そんなわけで、この記事では色域について分かり易いように、解説していきます。 自分自身最近まで全然理解していなかったので、なるべく誰が見ても分かり易いように解説していく予定。 色域について知っておくと、液タブやモニター選びの際に役に立つので、知らない方は ...

ReadMore

2025/10/5

【幅が狭い】液タブスタンドとしてBoYataのノートパソコンスタンドを買ってみた!

こんにちは。兼子です。   先月XPPenの新しい液タブ、Artist Pro16 Gen2を買ったのですが、付属のスタンドの角度が低すぎる問題にぶち当たっていました。 おおよそ20度程しか角度が付けられず、これだと自分の場合首に負担がくる。 ないよりマシですが、正直低すぎる。     長時間この角度で描くのは辛いし、多分体にもよくなさそう。   そんなわけで、もう少し角度をつけたい! 角度が付けば首が伸びて、若干姿勢は良くなる。ハズ。 同じような悩みを抱えている人 ...

ReadMore

液タブはメーカー公式ストアで買うのがオススメ


XPPenやHUIONの液タブを買う際はメーカーの公式ストアで買うのがおすすめです。


理由は保証が長くなるから。


XPPenでは通常保証期間が1年なんだけど、公式ストア限定で18~24ヶ月になります。
HUIONではすべて2年保証になります。


送料に関してもXPPenは無料だし、HUIONも21,999円以上の商品なら無料なので、液タブは無料。
またXPPenでは公式ストアで買った人のみ対象のレビュープレゼントキャンペーンなんかもあったりします。









プレゼントキャンペーン詳細


Amazonや楽天などの大規模セールを除いては値段も変わらないことが多いので、公式ストアでの購入を検討してみるのもおすすめです。


XPPen公式ストア


HUION公式ストア

  • この記事を書いた人

兼子

イラストレーター/Live2Dモデラー 2021年よりフリーランスとして活動。 当ブログではイラストやガジェット系の記事を主に掲載しております。

-XPPen, ガジェット, 液タブ・板タブ
-