こんにちは、兼子です。
2025年現在、さまざまなメーカーからお絵かき用の液晶タブレットが発売されています。
少し前までは「液タブといえばWacom一択」という雰囲気でしたが、今ではそんなことはありません。
性能が良くて、しかも安い!
そんなコスパの高い液タブが、いまや各社から数多く登場しています。
正直、選択肢が多すぎて、どれを選べばいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、性能が良くて価格も手ごろな16インチ液晶タブレットをいくつか比較してご紹介します。
※正確には16インチちょうどではないモデルも含みますが、本記事では「16インチ」として統一表記しています。
4社の16インチ液タブを比較
今回比較していくのはHUION、Wacom、XPPen、センスラボの4社。
個人的にどこも信頼できるメーカーで、製品の質も良いと思っているので、上記4社にしました。
比較サイズは16インチ
サイズについては、各社さまざまなバリエーションを展開していますが、
この記事では 16インチサイズの液タブ に絞ってご紹介します。
個人的には、長時間しっかり絵を描きたいなら、16インチ以上がおすすめです。
ただし、持ち運びにはやや大きめです。
商品説明に「持ち運びにも最適!」と書かれていることもありますが、
頻繁に持ち運ぶ予定がある場合は、13インチ以下のモデルのほうが現実的でしょう。
また、今回の記事では QHD(2560×1440)以上の解像度を備えたモデルに限定して比較していきます。
というのも、16インチサイズであればフルHDでも十分きれいに表示されますが、
近年は技術の進歩により、高解像度モデルが増えてきています。
そのため、フルHD搭載モデルはどうしても旧世代機やスペックの低いモデルが多くなる傾向にあります。
今回は、より快適に描ける環境を重視し、QHD以上の液タブに限定して比較していきます。
4機種の主なスペックの比較
HUION | Wacom | XPPEN | センスラボ | |
名称 | Kamvas16 Gen3 | Wacom Cintiq 16 | Artist Pro16 Gen2 | Xencelabs ペンディスプレイ16 エッセンシャル |
価格(2025年時点のAmazon価格) | 66,384円 | 118,800円 | 65,000円 | 139,980円 |
液晶 | IPS フルラミネーション加工 | IPS フルラミネーション加工 | IPS フルラミネーション加工 | IPS フルラミネーション加工 |
画面解像度 | 2560×1440 | 2560×1600 | 2560 x 1600 | 3840 x 2160 |
色域 | sRGBカバー率 99%、Adobe RGBカバー率 90%、Rec.709カバー率 99% | DCI-P3カバー率 99% sRGBカバー率100% | 99% sRGB、97% Adobe RGB、99% DCI-P3 | Adobe RGB 98%、P3-D65 98%、sRGB 99%、REC 709 99%、REC 2020 82% |
ペン | 16,384レベル 充電不要 | 8192レベル 充電不要 | 16,384レベル 充電不要 | 8192レベル 充電不要 |
ショートカット | 8個+2ダイヤル | なし | なし | なし |
精度(視差) | ±0.3mm(センター) ±2mm(コーナー) | ±0.4mm(中央)、±0.8mm(エッジ部) | ||
サイズ | 421.2 x 236.81 x 12.62mm | 384×259×15mm | 405.11 x 291.37 x 20.23 mm | 410 × 259.4 × 12mm |
重量 | 1.2kg | 2kg | 1.2㎏ | |
スタンド | あり | あり(内蔵) | あり(内蔵) | なし |
発売年 | 2025 | 2025 | 2023 | 2024 |
Amazon評価(2025年) | 4.5 | 4.8 | 4.4 | 5 |
※公式データが見つからなかったものは空欄になっております
HUION Kamavas16 Gen3の特徴
最大の特徴は、筆圧検知レベルが16,384段階と非常に高く、滑らかで繊細な描き心地を実現している点です。
また、最近ではショートカットキーを省略した液タブも増えていますが、このモデルには8つのショートカットキーと2つのダイヤルが搭載されています。
さらに、高さ調整が可能なスタンドも付属しており、姿勢や作業環境に合わせて快適に使えるのも魅力です。
そのため、初心者にも非常におすすめの液タブとなっています。
この液タブについては、実際に使用したレビュー記事も掲載しています。
気になる方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
Wacom Cintiq16(2025)の特徴
続いてご紹介するのは、Wacomの「Cintiq 16」です。こちらも2025年に発売されたばかりの新モデルです。
Wacomといえば「質は良いけど価格が高い」というイメージがあるかもしれませんが、
このCintiq 16は、比較的価格が抑えられたコストパフォーマンスの高い一台だと感じます。
上位機種の「Cintiq Pro 17」は約37万円と、初心者からしたら意味不明な価格帯になっております。
それに比べてCintiq 16は、かなり手の届きやすい価格設定になっています。
とはいえ、決して性能が劣っているわけではありません。
QHD画質に対応し、Proペンも使用可能となっております。
そのため、多少予算に余裕があり、信頼性の高い国内メーカー製液タブを使いたい人には特におすすめです。


Artist Pro16 Gen2の特徴
続いて紹介するのは、XPPenの「Artist Pro 16 Gen2」です。
2023年に発売されたモデルで、少し前の製品ではありますが、現在でも十分に高性能な液タブです。
筆圧検知レベルは16,384段階と非常に高く、繊細で滑らかな描き心地を実現しています。
また、画面には「X-Paper Surface」という特殊フィルムが貼られており、
これにより指紋が目立ちにくく、付属のフェルト芯と組み合わせることで、紙に近い描き心地が得られます。
ショートカットキーは搭載されていませんが、代わりに左手デバイスが付属しており、効率的な操作が可能です。
価格は約65,000円と、スペックに対しては比較的手頃で、初心者にも手が届きやすい価格帯となっています。


こちらの液タブも実際に使ってみたレビュー記事を掲載しております。
気になる方はぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。

Xencelabs ペンディスプレイ16 エッセンシャル の特徴
最後に紹介するのは、Xencelabs(センスラボ)の「ペンディスプレイ16 エッセンシャル」です。
センスラボは、元Wacomの社員が立ち上げたブランドで、2021年創業という比較的新しい会社ですが、信頼性の高いメーカーとして注目されています。
製品に対する妥協がなく、「クオリティを落とした廉価版」といったモデルはなく、こだわり抜いた製品だけを展開しているのが印象的です(※あくまで筆者の主観です)。
この液タブも例外ではなく、解像度は4K、さらにペンが2本同梱されているなど、非常に高いスペックを誇ります。
価格はやや高めですが、元Wacomの開発者による設計という安心感と性能を考えれば、十分にコストパフォーマンスの良い製品だと思います。
ただし、正直なところ4K画質は非常に繊細で美しい反面、16インチサイズではオーバースペックに感じることもあります。
個人的には、20インチ未満の液タブであればQHD(2.5K)程度でも十分に高精細だと思っています。


値段を気にしないならWacomがおすすめ
というわけで、今回は4機種の液タブを比較してみました。
いずれも非常に魅力的なスペックを備えたモデルですが、個人的なおすすめはWacomです。
これまでWacomを特別推すことはあまりなかったのですが、今回新たに発売されたCintiq 16は、性能と価格のバランスが非常に優れていると感じました。
とはいえ、HUIONやXPPenのほうが価格的には約5万円ほど安くなるため、できるだけコストを抑えたい人には、そちらをおすすめします。
両者の特徴としては、
- HUIONは高さ調整可能なスタンドが付属されており、
- XPPenは便利な左手デバイスが同梱されています。
また、画面のアスペクト比にも違いがあります。
HUIONは16:9の横長デザイン、一方でXPPenは16:10と縦方向にやや広い画面比率になっています。
実際に両方使ってみた感想としては、描き心地に大きな違いはなく、いずれも快適です。
そのため、こうした付属品や画面比率など、細かな仕様の好みに合わせて選ぶのが良いと思います。
それじゃ