XPPen ガジェット 液タブ・板タブ

XPPen Artist22セカンドレビュー!値段の割に大きいし使いやすい高コスパ液タブ

6月 2, 2022

兼子

イラストレーター/Live2Dモデラー 2021年よりフリーランスとして活動。 当ブログではイラストやガジェット系の記事を主に掲載しております。

先日、人生で一番でかい液タブを買いました。
XPPenのArtist22セカンドという液タブです。

名前の通り、22インチという液タブとしてはなかなかに大画面の部類に入ります。
それでいてお値段は5万円台という、Wacomではありえない格安価格。

正直この価格でこの大きさってのにはそれなりにわけがあるんだろう・・・と疑り半分、期待半分で買ったのですが、結論から言うと想像していたよりめっちゃよかった。

今までArtist13.3ProとArtistPro16を使ってきたけど、今回のが一番良い。


というわけ克明にレビューしていく!

Artist22セカンドのスペックと値段

スペックについて以下の通り。

サイズ21.5インチ
解像度1920×1080(フルHD)
色域86% NTSC, Adobe RGB≥90%, sRGB≥122%
ペン性能8192レベルの筆圧検知 60°の傾き検知 充電不要
液晶IPS液晶+アンチグレアフィルム
ショートカットキーなし
反応率220RPS
視野角垂直178° 水平178°
接続端子HDMI接続
価格59,800円

解像度はフルHDなので、21.5インチの割には低い。また、この液タブはフルラミネーション加工はされておりません。

フルラミネーション加工とは、液晶とカバーガラスを圧着させて隙間を失くす加工の事です

XPPenにした理由

ちなみに今回数あるメーカーの中からXPPenを選んだのは、安さとペンが好きだから。
まずWacomは16万するので無理。正直言って絵でそんなバンバン稼げているわけではないし、液タブって消耗品だから今の自分にはきつすぎる。

で、次に他の格安中華メーカーはどうなん?って話だけど、一応自分はGAOMONやHUIONの液タブも使った事があるんだけど、使ってみてわかったのがXPPenのペン先が一番細い。

これでそんな変わるの??って感じだけど、自分的には結構変わる。
ここが太いとペン先がどこに当たっているか見えにくかったりする。

あとそれぞれのスペックを見比べた結果、視差がHUIONが±2㎜、GAOMONは±3㎜、XPPenは±1.5㎜と一番少ない(画面端)。
そんなわけで、今回はXPPenの液タブを選んでみた。

Artist22セカンド開封レビュー

実際に届いたArtist22セカンドがこちら

比較のためにティッシュを置いています。伝わるかわからないけど、やっぱりでかい。

裏面はこんな感じ。

中身。

同梱品

中に入っていたものはこんな感じ

・本体

・ケーブル類

・ペンとペン入れ(替え芯付)

・手袋

・コードを隠すためのカバー

・取扱説明書
等々。詳しくは以下。

同梱品

替え芯はペン入れの中に内蔵されています。(8本)

また、本体裏にはしっかりとしたマウントが付いているので自立させる事が出来ます。

引用:https://www.storexppen.jp/buy/artist22_2nd.html

角度もかなり自由に変えられます。

かなり立たせることもできるし

寝かせる事もできます。

かなり使い勝手のいいマウント。

また、最初からネジ止めされているので、自分で組み立てる必要もありません。
VESA規格にも対応しているので、取り外してモニターアームに取り付けたりもできるそうです。

Artist 22セカンドの接続方法

接続方法はTypeC to TypeCでの接続が可能です。

Artist 22セカンドの接続方法

アダプターなしで接続可能との事ですが、22インチサイズになるので、電源は使った方が良いと思います。

また、TypeCから映像出力できないPCの場合、別途HDMI接続も必要となります。
HDMI端子も、電源アダプターも付属品として同梱されていますので、基本的にどんなPCでも問題なく接続できます。

Artist22セカンドの使用感

というわけで、実際に使ってみた感想を書いていこうと思うのですが、分かり易いように最初に箇条書きしますと

・視差はあるけど思ったほどない

・ペンが旧式だけど全然描きやすい

・若干首や腰の負担が減っているかも

・画面の粗さが気になる人はいるかも

・たまに誤作動が起こる

・とにかく大画面最高

って感じです。

Artist22セカンドの画面の視差について

まず個人的に一番気になっていたのが、フルラミネーション加工されていないから視差が結構あるんじゃないか?って事だったんですが、思いのほか視差は少ない。

画面中央付近
画面端

見ての通り画面端でもこの精度。視差のせいで描けないよぉ~って人はいないと思う。

ただフルラミネーション加工がされていないので、よく見ると液晶とカバーガラスに隙間はあるっちゃありますが、個人的には気になるほどでもない。

X3チップ搭載の最新のペンと比べて

XPPenと言えば、2021年にX3というチップが埋め込まれた【X3 Elite】という新しいペンが発売されました。

引用:https://www.storexppen.jp/

しかし残念ながらこの液タブは旧モデルのPA6というペンです。

ただX3 Eliteは以前使っていた液タブで使った事はある。

ちょっとややこしいんですが、実は以前使っていた液タブの方が最新機種。
でもデカい画面の液タブを使ってみたかったので、古い機種に乗り換えた。という事です。

で、両方使ってみた感想としては、正直PA6も視差はそこまで感じられないし遅延もほぼ感じられませんでした。
また、沈み込みはPA6の方があるっちゃあるけど、全然ガバガバって感じではない

なので全体的にX3Eliteと比べてめちゃくちゃ劣るって感じはしない。



逆にX3Eliteはグリップがないので、持ちやすさで言うとグリップがあるPA6の方が全然良い。

X3Eliteは持ち手にグリップがなく、全体的にプラスチックぽい質感になってて、これが本当にクs…微妙だった。持ちづらいし長時間持っていると痛い。

なので、ぶっちゃけPA6の方が良くない?と思ってしまった。

大画面だと若干首や肩こり、腰痛が減るのかも

また、大画面液タブにして個人的に感じた事で言うと、若干腰や肩の等の疲労が減った気がする。

専門家ではないので、あくまで個人的な感想ですが・・・

なんでだ?って思ったけど、多分小さい液タブに比べて、画面が大きい分顔をあまり近づけてないからかなと個人的に思いました。

どうしても画面が小さいとかなり顔を近づけちゃうんで、姿勢が悪くなるんですよね。

自分は視力があまり良くないのもあって、気づくと結構顔を近づけがち。

それが画面が大きくなったことで離れても充分見えるので、顔を近づける機会が減ったのかなと勝手に思ってる。

また、角度調節のマウントのおかげで、自分の描きやすい角度で描けるのも良い。

わりかし立たせて描く事で、猫背にもなりにくい。

画面の粗さが気になる人もいるかも

逆にデメリットで言うと、画質が荒いと感じる人はいるかもしれません。

特に普段高画質な物で見慣れていると、21.5インチのフルHDは荒っぽく見えると思う。

たまに誤作動が起こる

あと、たまに使っていると液タブ側とメインモニター側でペンの反応が入れ替わる事がある。(液タブにペンを置くとメインモニター側にカーソルがいく、板タブ化現象)

ドライバーをいじっても治らないんだけど、再起動すれば直る。


ただこれに関しては、結構自分はPCの電源を落とさずにスリープのまま寝る事がある。それで何日も電源を落とさずに使い続けているとこの現象が起きる気がしている。

なので定期的にしっかり電源切っていれば滅多に起こらないと思う。

実際に描いてみた

で、実際Artist22セカンドを使って描いてみたイラストがこちら

アイスクリームと

パフェ。

暑い日が続いていたので冷たい物を描きました。

あとLive2dを使って動かす用のキャラクターなども描いてみました。

実際描いてみも、デメリットよりも大画面のメリットの方が個人的にはでかい。
描いていてテンションも上がるし、拡大縮小せずともある程度描き込めるので効率も上がる。

これで5万円台はかなり良い。

解像度が気になるならArtist24

今回自分が買ったのは22インチサイズだけど、XPPenではもうワンサイズ大きいArtist24というのもある。
基本性能はだいたい同じなんだけど、画質がQHD。

FHDが気になる人は多分こっちの方が良いと思う。

こちらは約8万なので2万円ほど高くなるけど、24インチQHD画質になる事を考えるとこちらもコスパは超良い。
Artist24

板タブにして使ったりもできる

ちなみにこの22インチ大画面液タブは22インチ大画面板タブにもなります。

正直さすがに板タブとしてはデカすぎるだろう...と思われるかもしれませんが、思いのほか使い勝手が良かった。

※画面を消して使うことはできません

自分でも驚いたんだけど、画面が大きいので手が安定する事や、作業範囲を好きな位置にできるので自分好みにカスタマイズして使えるので結構いい。
画面に直接描くのに飽きた時は板タブにして使ったりしている。

2023年10月追記

Artist Pro16 Gen2に乗り換えました。
詳しくは「Artist Pro16 Gen2レビュー」の記事で紹介していますので、これから液タブを買おうか迷ってる人は参考にしてみてください。

それじゃ

2025/9/28

Shellの65W急速充電器を実機レビュー|ガソスタ発の意外な実力とは?

先日、充電器をひとつ失くしてしまいました。……というか、正確には実家に帰省したときに置き忘れてきてしまった感じです。 家にはほかにも充電器はあるんですが、65Wで充電できるものがなくて困った。そのせいで、ノートPCの充電ができなくなってしまいました。 というわけで、新しい充電器を購入しようとAmazonを物色していたところ……。   え・・・ Shell シェル 充電器 65w Type-C PD 3ポート 急速充電 [GaNII技術/折りたたみ式プラグ/超低温] 三台同時充 電 USB-C充電 ...

ReadMore

2025/4/11

NEEWERの俯瞰撮影用デスクアームがスマホの手元動画撮影に最適だった件

先日スマホ用のデスクアームを買いました。 自分はブログやYouTube用に、物撮りをすることが多いのですが、動画の場合手で持つと揺れが気になる。特に液タブなんかをレビューするときは、描いているところを動画で撮りたいのだが、片手で描きながら片手で撮るのは難易度が高い。 そんなわけで、デスクアームに取り付けて撮影しよう!と思って買ってみたわけです。しかし買ったのはこれが初めてではない。 以前安物のアームを買ったんだけど、耐久力がなさすぎてめっちゃ揺れるし、思った角度に固定するのが難しくてすぐに使わなくなってし ...

ReadMore

2025/9/1

【エルゴトロンlx】XP-Penの液タブにモニターアームを取り付けてみた!

こんにちは。兼子です。 先日、後傾姿勢で絵を描くために板タブを導入したことについて記事にしました。 とはいえ、結局は板タブに完全移行することはなく、液タブと併用するスタイルに落ち着きました。 そして今回は、液タブをさらに快適に使うためにモニターアームを導入した!という話です。というのも、液タブをモニターアームに取り付けて、机よりも前にせり出すように設置すれば、後傾姿勢でも無理なく絵が描けそう!ということを思いついたからです。 これは我ながら天才的なアイデアだと思いました。コナン君もびっくり! Amazon ...

ReadMore

2025/7/26

イラスト制作&Live2Dモデリングする際の作業環境紹介【デスクツアー】

ありがたいことに、最近Live2Dモデリングの仕事が少しずつ増えてきた。最初は全然依頼が来なくて焦ったけど、どうやらまだVtuberモデル制作の需要はあるようです。 なのでこれからVtuber製作を始めようと思っている人は多いと思う。 そんなわけで、この記事では自分の現在の制作環境を紹介します。これからVtuber製作をやってみようと思う方や、今やっているけど他の人の作業環境が見たい!って人は是非最後までご覧ください。 ちなみに2024年9月現在の作業環境となります。 イラスト制作&Live2Dで ...

ReadMore

2025/7/14

KOORUIの27インチモニターを買ってみたけど全くおすすできない件

先日液晶モニターを買い換えました。 KOORUIの27インチモニター。 Amazonで5,000円 オフのクーポンが配布されており、約25,000円で買いました。 安くて高色域のIPS液晶かつ高画質のモニターを探していたところコイツにいきつきました。 というわけでレビューしていこうと思います。 色が潰れる もう最初に言っちゃうけど、これは買わない方がいい。 まさに「安物買いの銭失い」。この言葉は、自分のために作られたんじゃないかと思うことがある。 一応その理由を説明すると、一番大きな問題は——色がつぶれる ...

ReadMore

2025/8/13

【TourBox Liteレビュー】Liteでも使える?EliteやNeoとの違いについて

先日TourBox様より、TourBox Liteをご提供頂きました。 TourBoxと言えば左手デバイスとして有名ですが、値段が結構お高い。 最上位モデルのEliteは約4万円と、なかなか手を出しづらい価格。 使ってみたいけど、価格的に諦めていた人は多いと思う。 値段が約13,000円と、Eliteに比べて3分の一になっており、かなりお求めやすい価格になっています。 ただ、その分削られた機能もあるわけです。 と思ってる人も多いと思うので、この記事でTourBox Liteの使い勝手がどんなものなのかにつ ...

ReadMore

2024/12/12

XPPenからイラスト制作用Androidタブレットが発売!【充電不要&16,384段階の筆圧検知】

先日液タブや板タブを販売するメーカーのXPPenからAndroidタブレットが発売されました。 絵が描けるAndroidタブレットってのは今までも結構発売されているけど、液タブ板タブの開発メーカーがAndroidタブレットを発売するケースは稀。 そんなわけで、結構期待と不安が入り混じるタブレットとなっているかと思いますので、この記事では性能などをまとめてみます。 Magic Drawing Padの性能 公開されている性能は以下の通り サイズ 279 x 192 x 6.9 mm 液晶サイズ 12.2イン ...

ReadMore

2025/7/8

液タブ初心者におすすめ!5万円以内で買えるXPPen製の神コスパ3機種を紹介

そんな方に向けて、おすすめの液タブを紹介していきます。 一昔前なら、5万円で買えるのは板タブだけと言われていましたが、時代は変わりました。今では5万円あれば液タブを選べる時代です。安いモデルなら2万円台から購入できるので、5万円あれば選択肢はかなり豊富と言っていいでしょう。 ……がしかし。 初心者にとって選択肢が増えると、逆に決められなくなる問題も出てきます。そしてつい「とりあえず安いもの」を選びがちに。 そんな失敗を避けるために、予算5万円を目安にしたおすすめの液タブを紹介します。これから液タブを購入し ...

ReadMore

色域ってどれくらいあればいい?

2024/9/15

液タブの色域ってどれぐらいあればいい?色域100%超えの理由と選び方

「AdobeRGB99%!」と言われても、知らない人からしたら良いのか悪いのかの判断がし辛いと思う。 物によってはsRGB表記だったりするし、なんなら100%超える色域が表示されていることもある。 100%超えってどういうことなのよ・・・・って感じですよね。 そんなわけで、この記事では色域について分かり易いように、解説していきます。 自分自身最近まで全然理解していなかったので、なるべく誰が見ても分かり易いように解説していく予定。 色域について知っておくと、液タブやモニター選びの際に役に立つので、知らない方 ...

ReadMore

2023/11/21

【幅が狭い】液タブスタンドとしてBoYataのノートパソコンスタンドを買ってみた!

こんにちは。兼子です。   先月XPPenの新しい液タブ、Artist Pro16 Gen2を買ったのですが、付属のスタンドの角度が低すぎる問題にぶち当たっていました。 おおよそ20度程しか角度が付けられず、これだと自分の場合首に負担がくる。 ないよりマシですが、正直低すぎる。     長時間この角度で描くのは辛いし、多分体にもよくなさそう。   そんなわけで、もう少し角度をつけたい! 角度が付けば首が伸びて、若干姿勢は良くなる。ハズ。 同じような悩みを抱えている人 ...

ReadMore

液タブはメーカー公式ストアで買うのがオススメ


XPPenやHUIONの液タブを買う際はメーカーの公式ストアで買うのがおすすめです。


理由は保証が長くなるから。


XPPenでは通常保証期間が1年なんだけど、公式ストア限定で18~24ヶ月になります。
HUIONではすべて2年保証になります。


送料に関してもXPPenは無料だし、HUIONも21,999円以上の商品なら無料なので、液タブは無料。
またXPPenでは公式ストアで買った人のみ対象のレビュープレゼントキャンペーンなんかもあったりします。









プレゼントキャンペーン詳細


Amazonや楽天などの大規模セールを除いては値段も変わらないことが多いので、公式ストアでの購入を検討してみるのもおすすめです。


XPPen公式ストア


HUION公式ストア

  • この記事を書いた人

兼子

イラストレーター/Live2Dモデラー 2021年よりフリーランスとして活動。 当ブログではイラストやガジェット系の記事を主に掲載しております。

-XPPen, ガジェット, 液タブ・板タブ
-